問い合わせの返事が遅れる原因は、相手が忙しいことよりも、何をどこまで答えれば足りるのかがメールから読み取れないことにあります。「料金について教えてください」と書くと、受け取った側は、プラン一覧を送るのか、使い方に合う見積を出すのか、まず用途を聞き返すのかを自分で決めることになります。決めきれないと、返信は確認の質問から始まり、一往復増えます。答えの範囲、答えの形、返す期日。この3つを書き手の側で決めておくと、相手は迷わず返せます。
- 件名は「{製品名}の{論点}について」の形にします。「お問い合わせ」だけだと、振り分ける担当が本文を開いて中身を判断することになります
- 質問は前提・選択肢・回答期限の3点セットで書きます。相手が推測で補う部分が減るほど、返信は具体になります
- すでに調べた範囲を一文で添えます。公式サイトのどこを見たかが分かれば、そのページを案内するだけの返信を避けられます
前提・選択肢・回答期限の3点セットにする
前提は、答えを一つに絞るための条件です。利用人数、契約形態、対象の型番。これがないと、相手は場合分けを並べるか、条件を聞き返すかのどちらかになります。選択肢は、答えの形を指定するものです。二択にすれば選ぶだけ、事実確認なら「〜という理解で合っていますか」の形にすれば正誤を返すだけで済みます。回答期限は、優先順位を決める材料です。3つが揃うほど、返信は一往復で終わります。
| 曖昧な質問 | 一往復で答えが返る形 | 相手の作業 |
|---|---|---|
| 料金について教えてください | 30名で利用する場合、料金はスタンダードとエンタープライズのどちらの対象になりますか | プランを1つ選ぶ |
| 導入までどのくらいかかりますか | 契約から利用開始まで、標準では2週間程度と考えてよいでしょうか | 正誤を返す |
| 仕様を確認させてください | CSVの取り込みは1ファイル1万行までという理解で合っていますか | 正誤を返す |
複数の論点は番号で割る
一つの段落に質問を並べると、答えが一部だけ返ってきます。論点が2つ以上あるなら番号を振り、1行1問にします。前提の説明が要る質問は、その番号の直下に1行で添えます。もう一つの基準は、答える人が同じかどうかです。料金は営業、仕様は技術というように担当が分かれる質問を1通に混ぜると、回覧されるうちに片方だけが返ってきます。担当が違いそうなら、メールを分けたほうが早く揃います。
調べた範囲を先に書く
「料金ページは拝見しましたが、年額払いの記載が見つかりませんでした」の一文があると、相手は同じページのリンクを貼る返信をせずに済みます。書くのは、見た資料の名前と、分からなかった点の2つで足ります。社内への質問なら「共有ドライブの{ファイル名}は確認しました」で同じ働きをします。調べていないなら無理に書かず、相手が一次情報の案内から始めると見込んでおきます。
初回は、こちらの状況を先に伝える
面識のない相手に質問だけを送ると、返ってくるのは誰に対しても同じ標準の案内です。用途、想定している規模、導入したい時期、社内で誰が決めるのかを1〜2文添えると、返信はこちらの条件に合った内容になります。他社と比較している段階なら、そう書いておくほうが、比較しやすい形の資料が届きます。回答期限は日付と理由をセットにします。頼み方そのものは依頼メール全般に共通するので、依頼メールのページでまとめて扱っています。