不採用通知で判断が要るのは、丁寧さの度合いではなく、落選の理由をどこまで書くかです。理由を示せば、届いた返信に答えるうちに評価の中身へ踏み込むことになります。原則は書かない。書くのは、募集要項に照らして確認できる事実か、募集そのものの中止だけです。
- 結果は、募集要項や面接の場で伝えた期日内に送ります。連絡しないまま終える運用は、応募者を待たせるだけでなく、口コミサイトに書かれることもあります
- 褒め言葉も理由と同じ扱いです。「優秀な方でしたが」と評価に触れた瞬間、その評価と落選の落差を説明せざるを得なくなります
- 応募書類の扱い(返却か破棄か)と再応募の可否は、本文に1行ずつ入れます。書かないと、その2点だけを尋ねる返信が来ます
落選の理由に触れる場面と触れない場面
分かれ目は、書こうとしている内容が応募者への評価かどうかです。評価は開示しません。一方、募集要項に書いてある条件との照合や、募集そのものの中止は、評価とは別の事実なので伝えられます。
| 場面 | 理由に触れるか | 文面での扱い |
|---|---|---|
| 書類選考・面接での通常の不通過 | 触れない | 「慎重に選考いたしました結果」で止め、評価の中身は書かない |
| 募集要項の必須要件(資格・免許・就業開始日)を満たしていない | 一つだけ書く | 「募集要項に記載の{必須資格}を満たしていないため」と、照合できる事実だけを示す |
| 募集の中止・採用計画の変更 | 書く | 応募者への評価と切り離せるため、募集を終了した事実をそのまま伝える |
| 他の応募者との比較で決まった | 触れない | 誰とどう比べたかを尋ねる余地が残るので、比較そのものに言及しない |
| 応募者から理由を尋ねられた | 会社の方針で決める | 開示しない方針なら「一律でお伝えしていない」と示す。伝える方針でも募集要項の要件と照らした事実まで |
年齢や性別による募集・採用の制限は法律で定められており、本籍や出生地、家族の状況、思想信条といった事項は、厚生労働省の公正な採用選考の考え方で把握しないこととされています。判断材料にしないだけでなく、不採用の理由としても書きません。求人票に載せていない条件を後から理由に挙げるのも避けます。取引先や依頼を断る文面はまた別の型なので、断りメールのテンプレートで扱っています。
選考段階で増える手続きを書き添える
段階が上がるほど、詫びる対象は「ご応募いただいたこと」から「重ねてお時間を割いていただいたこと」へ移ります。ただ、文面の差として大きいのは書き添える手続きのほうです。書類選考なら、応募書類を返却するのか破棄するのか、破棄するなら保管期間を1行。面接後は、交通費の精算方法と精算日が加わります。「後日ご案内します」で止めると、精算の時期を尋ねる返信が届きます。最終選考の後は、そこに再応募の可否が加わります。内定を出した後に辞退の連絡を受けたときは、引き止めを入れず、承知した旨を先に書きます。辞退を伝える側の文面は、内定辞退メールのテンプレートにまとめています。
フィードバックを求められたときの返し方
「今後のために、どこが足りなかったか教えてください」という返信は届きます。答えるかどうかは会社の方針として決めておき、担当者ごとに変えません。開示しない場合、断り方は一つで足ります。個別の選考結果は一律でお伝えしていないと方針を示し、応募への感謝を一文添えて終える。詫びを重ねて長くすると、頼めば出てくると読まれ、次の返信を招きます。伝えると決めている会社でも、話すのは募集要項の要件と照らした事実の範囲までです。人物評価や、他の応募者との比較には踏み込みません。
再応募の可否は、送る前に決めておく
「またご縁がありましたら」は、再応募できるとも、社交辞令とも読めます。受け取った応募者は、半年後に応募してよいのか判断できません。受け付けるなら期間を書きます。「{再応募可能時期}以降であれば、あらためてご応募いただけます」。当面受け付けないなら、その一文を入れずに、感謝と結びだけで終えます。書かないことで示すほうが、誤解を残しません。同じ職種の募集を続けている会社ほど、この一行が効きます。前回の応募から間を置かずに再応募が届き、扱いに迷う場面が減るためです。