会食のお礼メールは、書き出す前に一つだけ決めます。誰が費用を負担したか。ごちそうになった側なら、礼の中心は席を設けてもらったことと費用です。負担した側なら、足を運んでもらった時間です。割り勘や会費制なら、その席で交わした話が礼の対象です。ここを取り違えると、招いた側が「ご馳走になり」と書いてしまいます。
- 送るのは翌朝の始業後が目安です。当日の深夜に送ると、相手が帰宅の途中や就寝前に受け取ることになります
- 金額や店の格には触れません。「高価なお店で恐縮です」は、相手に支払った額を意識させます
- 礼だけで終えず、次に何が起きるかを一文足します。次回の設定でも、案件の進め方でも構いません
誰が費用を負担したかで礼の向きが変わる
同じ「昨夜はありがとうございました」でも、続く一文は立場で変わります。招かれた側は費用と手配に、招いた側は相手の時間に礼を向けます。高い店だったと感じたときは、金額をにおわせず「お心遣いを賜り、恐縮しております」にとどめます。
| 立場 | 礼の中心 | 本文に入れる一文の例 | 避けたい形 |
|---|---|---|---|
| 相手に負担してもらった | 席を設けた手配と費用 | ご馳走になり、ありがとうございました | 奢っていただき / 高いお店で申し訳ありませんでした |
| 自社が負担した | 足を運んでもらった時間 | お忙しいなかお運びいただき、ありがとうございました | ご馳走になり(自社が払った席で) |
| 割り勘・会費制 | その席で聞けた話 | {話題}について伺えたことが収穫でした | 楽しい時間を過ごせました(これだけで終える) |
| 社内で上司が負担 | ごちそうと、場を用意した労 | ご馳走さまでした。お店の手配までありがとうございました | 多大なるご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます |
送るタイミングと、遅れたときの書き出し
会食の翌朝、始業後の時間帯が一つの目安です。数日空いてしまったときは、「お礼が遅くなり失礼しました」の一文で切り上げます。詫びを長く書くほど、遅れたこと自体が主題になります。埋め合わせになるのは詫びの分量ではなく、席で出た話をどれだけ具体的に覚えているかです。
宛先と CC の決め方
宛先はその席で最も上位の方にし、同席した方を CC に入れるのが目安です。予約や手配をしてくれた幹事がいれば、その方も CC に含めます。社内の懇親会で上司にごちそうになったときは、上司へ直接送り、幹事役の同僚には手配への一言を別に送ります。
「楽しい時間を過ごせました」で終わらせない
感想だけの一文は、どの会食にも当てはまります。相手が読んで意味を感じるのは、その席でなければ出なかった話に触れた部分です。ところが翌朝には、盛り上がった話ほど輪郭が消えています。帰りの電車で、相手が使った言い回しを二つか三つ、そのままメモに残します。要約すると自分の解釈が混ざります。
どの話を書くかは、相手が時間をかけて話した話題から選びます。案件の本題とは限らず、業界の見立てでも前職の失敗談でも構いません。長く話したことは、相手が話したかったことです。他社の評判や人事の話は、その場限りにしておきます。メールにすると記録が残り、転送もされます。
最後に一文だけ、次に起きることを書きます。「次回は{時期}に」でも「{成果物}を{期限}までにお送りします」でも構いません。会食では案件の話が口約束のまま流れやすいので、翌朝のメールで日付と成果物に置き換えます。会食を伴わない打ち合わせや訪問のお礼は、打ち合わせ後のお礼メールの型で書きます。