退職の挨拶メールで読み手が最初に探すのは、感謝の言葉ではなく自分に関係する情報です。社内なら、いつまで在席するのか、関わっている案件を誰が引き継ぐのか。社外なら、今後どこへ連絡すればよいのか。ここが抜けていると、どれだけ丁寧な文面でも「で、誰に聞けばいいのか」という問い合わせが返ってきます。感謝はその情報のうえに載せます。
- 社内と社外で書き分けるのは、最終出社日、後任、連絡先、退職理由の粒度の4つです
- 社内は最終出社日の当日、社外は最終出社日の2週間から3週間前に送ります。社外に最終日に送ると、引き継ぎの余地が残りません
- 一斉送信は BCC を使います。宛先欄にアドレスを並べると、社内外の連絡先をそのまま共有することになります
社内と社外で変える4つの要素
最終出社日は、社内には日付を明記します。同僚はそれまでに相談を持ち込めるかを判断します。社外には退職日と、後任が引き継ぐ時期を書きます。後任は、社内なら担当業務ごとの引き継ぎ先を、社外なら後任の氏名と連絡先を書きます。個人の連絡先は、社内には添えても構いませんが、社外には原則書きません。会社間の取引を個人のつながりへ移すことになるためです。退職理由はどちらも「一身上の都合」で足り、転職先の社名は書きません。
送るタイミング
社内向けは最終出社日の当日、終業の1時間から2時間前が目安です。早く送りすぎると、まだ在席しているのに区切りがついた空気になります。社外向けは最終出社日の2週間から3週間前に送ります。取引先は後任との顔合わせや引き継ぎの日程を組む必要があり、最終日に届いても間に合いません。直属の上司と、日常的にやり取りしている取引先には、一斉の挨拶より前に個別に伝えておきます。
感謝は具体的な場面に結ぶ
「大変お世話になりました」だけでは、誰に送っても同じ文になります。社内の個別メールなら、一緒に担当した案件や助けてもらった場面を一つ挙げます。社外なら、取引の期間と関わった仕事を書きます。「{在籍年数}、{案件名}を担当させていただきました」のように事実を一つ入れるだけで、定型文から離れます。一斉送信の本文にはこれを書けないので、個別に伝えたい相手には別に一通を用意します。
受け取った側の返信
退職の挨拶メールを受け取ったら、返信は短くて構いません。相手は最終出社日の前後で慌ただしく、長い返信は読む負担になります。社外からの挨拶なら、これまでの取引への感謝と、後任への引き継ぎを承知した旨を書きます。社内なら、一緒に働いた場面を一つ入れると定型の返信になりません。転職先や退職の理由を尋ねるのは避けます。相手が書かなかったのは、書かない判断をしたからです。