誤送信のお詫びが遅れるのは、原因が分かるまで書き出せないと考えるからです。しかし1通目に必要なのは原因ではありません。いつ送ったどのメールなのか、相手に何をしてほしいのか。この2つは、気づいた時点ですでに確定しています。調査を待つあいだにも、誤送信先ではメールが開かれ、転送されることがあります。
- 1通目は、気づいたその日のうちに出します。原因も再発防止策も、後から届く2通目で構いません。社外の第三者に情報が渡った可能性があるときは、送信前に上長へ一報を入れます
- 件名に「誤送信」と入れ、本文の1〜2文目で送信時刻と元の件名を書きます。相手は受信箱を検索して現物にたどり着けます
- 頼む操作は1つに絞ります。「開かずに削除」が主で、転送や保存を控えてほしいことはその補足として続けます
誤送信の種類別の対応
同じ「誤送信」でも、送る相手の数と、書くべき事実が変わります。着手前に自分がどれに当たるかを決めます。
| 誤送信の種類 | 誰に何通送るか | 本文に必ず書くこと |
|---|---|---|
| 宛先誤り(別の相手に送ってしまった) | 誤送信先へ削除依頼、本来の宛先へお詫びと再送の2通 | 送信時刻と元の件名、どこまでの情報が渡ったか、削除の依頼 |
| 添付ファイルの誤り | 送信先へ1通(削除依頼と差し替えを同じメールで) | 誤って添付したファイル名と中身、正しいファイル、旧ファイルの削除依頼 |
| 一斉送信で TO・CC にアドレスが並んだ | 受信者全員へ1通(BCC で送り直す) | 露出したのがアドレスだけか、対象件数、削除の依頼、問い合わせ窓口 |
| 送信後に本文の誤りに気づいた | 同じ相手へ訂正メール1通 | 誤っていた箇所と正しい内容、どちらのメールが有効か |
対応が重くなるかどうかを決めるのは、相手の情報が社外の第三者に渡ったかどうかです。渡っていれば、誤送信先への削除依頼で終わらせず、本来の宛先にも何が誰に渡ったかを伝えます。社内の別の人に送っただけなら、誤って受け取った同僚に一言伝えたうえで、本来の宛先へ送り直せば足ります。
削除依頼は、相手にしてほしい操作を1つに絞る
誤って受け取った側は、この件と何の関係もない第三者です。頼む操作は削除を主に置き、転送や保存を控えてほしいことはその補足に留めます。「破棄してください」は命令に読めるため、「ご削除をお願いできますでしょうか」の依頼形にします。削除したという返信までお願いするのは、個人情報や機密が含まれていて、対応の記録を残す必要がある場合です。相手が開いてしまった後なら、内容を口外しないでほしいと書き添えるより、こちらの連絡先を置いて問い合わせを受けられるようにするほうが実際的です。
再発防止を書くのは、相手に実害が及ぶとき
再発防止策は、書けば丁寧になるものではありません。判定は3つで、相手や第三者の個人情報・機密が渡った、同じ相手に対して2回目、取引先の規程や監査で報告が求められている。どれかに当たるなら書きます。当たらない誤送信で長い防止策を並べると、事故を大きく見せてしまい、相手は返信の書き方に困ります。「以後、送信前に宛先を確認いたします」の一文で終えて構いません。書く場合も、決意ではなく変えた運用を書きます。「細心の注意を払ってまいります」は運用ではないので、社外ドメイン宛の警告表示を有効にした、送信前に上長の確認を通す手順にした、のように、いつ何を変えたかで書きます。
内容の誤りを直す訂正メールとの違い
宛先や添付を誤った送信事故と、送った内容そのものが誤っていた場合とでは、書く型が変わります。訂正メールで相手に頼むのは削除ではありません。どちらのメールが有効かを示すことです。「先ほどのメールは破棄してください」ではなく、「先ほどお送りした{項目}に誤りがありました。正しくは{正しい内容}で、本メールの内容が最新です」と書きます。件名は元の件名の頭に【訂正】を付けると、受信箱で並んだときに新旧が判別できます。請求書や見積書の金額を訂正する場合は、差額や再発行の扱いまで書くことになるため、お詫びメールのテンプレートでまとめて扱っています。