内定承諾のメールは、書き方より先に「この一通で何を確定させるか」を決めます。承諾まで確定させるなら、企業は採用枠を閉じ、入社手続きへ進みます。お礼だけを先に返すなら、企業は返事を待つ側に回ります。相手を止めるのは、この二つが混ざった文面です。「前向きに検討しております」と書かれたメールを受け取った担当者は、受諾として社内へ回してよいのか判断できません。
- 内定の通知を受け取ったら、24時間以内に一度返します。承諾そのものは回答期限内で構わないので、決めきれていなければ、いつ返事をするかだけ先に伝えます
- 承諾は言い切りの形で書きます。希望や意向を述べる形(〜したいと思います、〜できれば幸いです)は承諾になりません
- 同じメールに載せてよいのは手続きの確認までです。給与や勤務地の見直しは、承諾とは別のやり取りにします
承諾として読めない言い方と、その言い換え
担当者が承諾のメールで探しているのは、内定を受けるという一文だけです。ところが実際に多いのは、感謝と意欲で本文が埋まり、肝心の一文が希望の形で書かれているメールです。日本語は丁寧にするほど断定が弱まるため、敬語を重ねた結果として意思が消えます。下の言い換えなら、丁寧さを保ったまま確定形になります。
| 書きがちな表現 | 相手の読み取り | 確定形の言い換え |
|---|---|---|
| 前向きに検討しております | 返事はまだ先になりそうだ | 内定をお受けいたします |
| ぜひお世話になりたいと考えております | 意欲は伝わるが、受けるかは分からない | 内定を承諾いたします |
| 入社させていただければと思います | 入社したいという希望を述べている | {入社日}より入社いたします |
右側はどれも短い一文です。承諾を先に言い切り、感謝や意欲はその前後へ置きます。順序が逆になると、担当者は最後まで読まないと結論をつかめません。
同じメールで確認してよいこと、別にすること
入社日、初日の出社時間と集合場所、提出書類とその期限、健康診断の要否。これらは承諾の後に発生する手続きなので、承諾のメールにまとめて聞いて構いません。一方、給与額、役職、勤務地、提示された入社日の変更は条件の話です。承諾と同じメールに入れると「この条件が通るなら承諾する」と読まれ、社内の手続きが止まります。条件を相談したいなら、承諾の返事より前に、条件についてだけのメールを送ります。
お礼だけ先に返すか、一通で承諾まで書くか
通知が届いた時点で入社を決めているなら、お礼と承諾は一通にまとめます。二通に分けても担当者の作業が増えるだけです。迷っているなら分けます。一通目は受領のお礼と、いつ返事をするかの日付。二通目が承諾です。欠かせないのは日付で、「もう少し考えさせてください」だけでは、担当者は次にいつ動けるか分かりません。回答期限が示されているなら、その範囲内で自分が守れる日を書きます。
入社前の質問を添えるとき
配属先や研修の日程など、入社前に聞いておきたいことは承諾のメールに添えられます。書く位置は承諾の一文より後ろです。質問が先に来ると、答え次第で承諾を決めるように読めます。数は3つまで、箇条書きで一行ずつ書きます。回答の期限は切らず、「お手すきの際にご教示いただけますと幸いです」で足ります。服装や持ち物など、入社日の直前で間に合うことは省いて構いません。