レポート・論文

参考文献の書き方|レポート・論文で使う本・ウェブの基本形とNG例

本・雑誌論文・ウェブサイト・新聞記事の基本形、SIST02とAPA第7版の書き比べ、Wordでの体裁、提出前のチェックまでをまとめました。

12分で読める2026年10月6日

目次

参考文献は、著者名・出版年・題名・出版社(雑誌論文なら掲載誌名・巻号・ページ)を決まった順に並べて書きます。ウェブの資料にはURLと閲覧日を加え、大学や教員の指定書式があればそれに従い、なければSIST02かAPA第7版のどちらか1つにそろえます。

この記事では、資料別の基本形をSIST02とAPA第7版の書き比べと合わせて示し、Wordでの体裁、NG→OK例、提出前のチェックリストまでを、提出直前に手元で使える形にまとめました。

この記事で分かること

  • 参考文献の基本要素は「著者名・出版年・題名・出版社または掲載誌(巻号・ページ)」で、ウェブの資料にはURLと閲覧日が加わる
  • 「参考文献」と「引用文献」は、大学や分野によって同じ意味にも別の意味にもなる
  • 書式は大学・教員の指定が最優先で、指定がなければSIST02かAPA第7版を選び、1本のレポートでは1つに統一する
  • 出版年の位置は、SIST02では出版者や誌名の後ろ、APA第7版では著者名の直後の括弧の中になる
  • 並べ方は、本文の出現順の番号方式と、著者名の五十音順・アルファベット順の方式に分かれる
  • 提出前には、本文の引用とリストの項目が1対1で対応しているかを確かめる

参考文献とは:引用文献との違い

参考文献とは、レポートや論文を書くために引用したり参考にしたりした資料を、読み手がその資料にたどり着ける情報とともに末尾に並べたものです。SIST02(参照文献の書き方)も、読者が参照文献にたどり着けるだけの書誌事項を示すよう求めています。

紛らわしいのは「引用文献」との関係。2つを同じ意味で使う場合と、本文で言及したものを引用文献、言及していないが参考にしたものを参考文献と分ける場合の両方がある、とJSTの参考文献の手引きは説明しています。

呼び方載せる範囲この使い方を示している資料
参考文献(広い意味)本文で引用した資料と、書くときに参考にした資料大阪大学・山口大学の図書館ガイド
引用文献本文で引用・言及した資料だけJSTの手引きが紹介する使い分け
参照文献参考文献と引用文献の両方を含む呼び方SIST02
References(APA第7版)本文で引用した資料だけAPA Style

APA Styleは、本文で引用した文献はすべてリストに載せ、リストの文献はすべて本文で引用されていなければならない、としています(APA Style の引用の基本原則)。逆に大阪大学のガイドは、書くときに参考にした文献も参考文献に含めています。

迷ったら、授業や要項に出てくる語を見出しに使い、その範囲で載せる文献を決めてください。本文の中での引用の付け方は引用の書き方で扱います。

どの書式で書くか:指定の確認からSIST02・APAの選び方まで

書式は「大学・教員の指定 → 指定がなければSIST02かAPA第7版 → 決めた書式で統一」の順に決めます。この記事で参照した大学図書館のガイドはどれも、先生や提出先の指定を先に確かめるよう書いています。

  1. シラバス、課題の説明、卒論の執筆要項に書式の指定がないか確かめる。ゼミや学科の見本があれば、それが最優先
  2. 指定がなければ分野で選ぶ。立命館大学図書館のガイドは、SISTを文系・理系を問わず使えるよう作られたスタイル、APAを心理学や社会学などの社会科学分野で使われるスタイルと紹介している
  3. 決めたら、リストのすべての項目を同じ書式で書く

SIST02は科学技術振興機構(JST)が定めた基準で、JSTは2012年3月でSIST事業を終えています。それでも2007年版の本文は国立国会図書館のウェブアーカイブで読め、立命館大学・近畿大学・新潟大学の図書館ガイドもSIST02の形で例を示しています。

同じ文献をSIST02とAPA第7版で書き比べる

資料SIST02APA第7版
本坂村健. グローバルスタンダードと国家戦略. NTT出版, 2005, 272p.坂村健. (2005). グローバルスタンダードと国家戦略. NTT出版.
雑誌論文松原茂樹, 加藤芳秀, 江川誠二. 英文作成支援ツールとしての用例文検索システムESCORT. 情報管理. 2008, vol. 51, no. 4, p. 251-259.松原茂樹, 加藤芳秀, & 江川誠二. (2008). 英文作成支援ツールとしての用例文検索システムESCORT. 情報管理, 51(4), 251–259. https://doi.org/10.1241/johokanri.51.251
ウェブページ著者名. “ページの題名”. サイト名. 更新日. URL, (参照 年-月-日).著者名. (年, 月日). ページの題名. サイト名. URL

SIST02側の2例は、JSTの手引きに載っている記述例です。同じ文献でも、次の点が変わります。

  • 出版年:SIST02は出版者や誌名の後ろ、APA第7版は著者名の直後
  • 本の総ページ数:SIST02は「272p.」と書き、APA第7版の本の例は書かない。APAは出版地も書かない
  • 巻・号:SIST02は「vol. 51, no. 4」(簡略形「51(4)」も可)、APA第7版は「51(4)」
  • DOI:APA第7版は「https://doi.org/」の形で末尾に置き、後ろにピリオドを付けない
  • 閲覧日:SIST02はオンラインで入手した資料に必須。APA第7版は、アーカイブされず内容が変わるページにだけ取得日を書く

日本語の文献にAPAを当てはめる形は大学によって細部が違い、新潟大学のガイドは書名を『』で囲み、立命館大学のガイドは囲みません。指定の見本があれば、記号までそちらに合わせます。

資料の種類別の基本形

どの資料でも、「誰が・いつ・何という題で・どこから出したか」を書く点は同じです。以下はSIST02の形で示します。APA第7版で書くときは、前の節で挙げた差分(年の位置、総ページ数と出版地の省略、巻号の書き方、DOIの形、閲覧日の扱い)をまとめて置き換えます。年だけ動かすと、SIST02とAPAが混ざった書式になります。

本(単著・共著・編著・翻訳書)

基本形は「著者名. 書名. 版表示, 出版者, 出版年, 総ページ数.」です。版表示は第2版以降のときだけ書きます。

  • 単著:坂村健. グローバルスタンダードと国家戦略. NTT出版, 2005, 272p.
  • 共著:[著者A], [著者B], [著者C]. [書名]. [出版者], [出版年], [総ページ数]p.
  • 編著:照明学会編. 照明ハンドブック. 第2版, オーム社, 2003, 573p.
  • 翻訳書:トマ・ピケティ. 21世紀の資本. 山形浩生, 守岡桜, 森本正史訳. みすず書房, 2014, 333p.

共著は全員を並べるのが基本で、3名以上なら「[著者A]ほか」と縮めてもかまいません。編者は著者の位置に置いて「編」を、訳者は書名の後ろに置いて「訳」を付けます(翻訳書の例は立命館大学図書館のガイドから)。

書籍の一章・論文集の一論文

編者がまとめた本の1章だけを使ったときは、章の著者を先頭に、本の編者を書名の後ろに置きます。章の題名を“ ”で囲むのは、書名と区別するためです。

村主朋英. “医学分野における動向”. 電子メディアは研究を変えるのか. 倉田敬子編. 勁草書房, 2000, p. 59-97.

雑誌論文・紀要

基本形は「著者名. 論文名. 誌名. 出版年, 巻数, 号数, はじめのページ-おわりのページ.」です。

松原茂樹, 加藤芳秀, 江川誠二. 英文作成支援ツールとしての用例文検索システムESCORT. 情報管理. 2008, vol. 51, no. 4, p. 251-259.

大学の紀要も、誌名の位置に紀要名を書く同じ形です。巻がなく号だけなら号だけを書きます。DOIがあれば、ページの後ろに「doi:」で続けると読み手が直接たどり着けます。

ウェブサイト

基本形は「著者名. “ページの題名”. サイト名. 更新日. URL, (参照 年-月-日).」です。立命館大学図書館のガイドの例を挙げます。

中央教育審議会. “人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)”. 文部科学省. 2018-12-21. https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1412080.htm, (参照 2024-02-02).

著者名のないページ、PDFで公開された資料、SNSの投稿、生成AIの扱いは、ウェブサイトの参考文献の書き方で場合分けしています。

新聞記事

紙の新聞は「記事タイトル. 新聞名. 発行年月日, 朝刊/夕刊, 版, ページ.」です。署名記事なら記者名を先頭に置きます。

セブン&アイ巨額買収に見る流通の未来. 日本経済新聞. 2020-08-04, 朝刊, p.4.

近畿大学中央図書館のガイドは、新聞記事を紙・ウェブ版・データベースの3通りに分け、ウェブ版にはURLと参照日、データベースで読んだ記事にはデータベース名も加えています。

報告書・白書

官公庁や団体の報告書・白書は、発行した機関を著者の位置に置きます。ウェブで読んだならURLと参照日を足し、報告書番号があれば出版年の後ろに書きます。

内閣府編. 交通安全白書. 平成17年版, 2005.

講義資料

授業で配られただけの資料は、ほかの人が内容を確かめられません。SIST02は、手紙や電子メールのような公開されない資料を、特に必要な場合を除いて参照文献に含めないとしています。講義資料もこれに近いので、まず担当教員に載せてよいかを確かめてください。

載せるなら「[担当教員名]. [資料の題名]. [科目名]. [大学名], [配布日].」の形。資料の中で紹介されていた本や論文を自分で読み、そちらを挙げるほうが確実です。

参考文献を書式どおりに整える

手で整えるときは、「情報を集める → 書式を1つ決める → 要素の順に並べる → 句読点と記号をそろえる → 並べ替える」の5段階で進めると、抜けと混在を防げます。

  1. 情報を集める:本は奥付、論文は1ページ目と表紙、ウェブはページの上部と末尾とURLを、読んだその日に控える。閲覧日もこのときに書く
  2. 書式を1つ決める:決めた書式の見本を1件、手元に置く
  3. 要素の順に並べる:SIST02なら「著者 → 題名 → 出版者・年・巻号・ページ → URL・参照日」の4グループの順
  4. 句読点と記号をそろえる:SIST02はグループの区切りをピリオド、グループの中をカンマにする。全角か半角かもどちらかに決める
  5. 並べ替える:次の節の方式に合わせて、番号順か五十音順にする

書きながら出典を付けておく

提出直前に資料を探し直す手間は、書きながら出典を付けておくと減らせます。インキでは、本文の引用したい位置に出典を付けられます。DOIやURLを貼れば文献情報を取り込み、取り込めない資料は手入力。付けた出典は、Word(.docx)などに書き出すときに参考文献リストとしてまとめて出力されます。読み込ませたPDFやURLから要点を拾いながら書くこともできます。

Wordで書き出すと、出典はWordの引用文献機能の形で入ります。開いた直後の書式はAPA。Wordの「参考資料」タブにある「スタイル」でSIST02やMLAを選ぶと、本文の引用と参考文献リストがまとめてその書式に書き換わります。切り替えたあとは要項の見本と並べ、手順3と4の観点で違う箇所だけ直してください。学生向けの使い方は学生向けのインキ紹介にまとめています。

出典を付けながら書き始める(無料)

並べ方と番号の付け方

並べ方は、本文の引用順に番号を振る「番号方式(バンクーバー方式)」と、著者名の五十音順・アルファベット順に並べる「著者名・年方式(ハーバード方式)」の2つです。どちらにするかは書式の指定に従い、本文での示し方とリストの並びを対応させます。

方式本文での示し方リストの並び使う書式の例
番号方式「〜と報告されている1)」本文に出てきた順JSTの手引きの例、理工系の論文
著者名・年方式「〜と報告されている(田中, 2005)」著者名の五十音順(欧文はアルファベット順)APA第7版

JSTの手引きは、科学技術論文では番号方式が多いと説明しています。APA第7版を使う心理学や社会学などでは著者名・年方式になります。

同じ著者の文献が複数あるとき

著者名・年方式では、同じ著者の文献を年の古い順に並べます。同じ年に2本以上あれば「田中太郎. 2003a.」「田中太郎. 2003b.」と年に小文字を付け、本文でも「(田中, 2003a)」と書きます。

番号がずれないようにする

番号方式では、本文を書き足すと引用の順番が変わります。番号の振り直しは最後にまとめて行い、本文とリストの番号を上から照らし合わせてください。和文献と欧文献を分けて並べるかも指定によって違うので、指定がなければどちらかに決めてそろえます。

Wordで参考文献リストの体裁を整える

Wordでは、本文の最後に「参考文献」の見出しを置き、リスト全体にぶら下げインデントを設定すると、1件が2行以上にわたっても項目の区切りが見えます。ぶら下げインデントは、段落の1行目を左端に置き、2行目以降を字下げする設定です。

Windows版のWordでは、次の手順で設定します(Microsoft サポート)。

  1. 本文の最後に、指定どおりの見出し語(「参考文献」「引用文献」など)を置く。新しいページから始めるなら、見出しの前で[挿入]→[ページ区切り](Ctrl+Enter)
  2. リストの段落をすべて選択する
  3. [ホーム]タブの[段落]グループ右下の小さな矢印から、[段落]ダイアログを開く
  4. [インデントと行間隔]タブの[最初の行]で「ぶら下げ」を選び、[幅]を「1字」〜「2字」程度にして[OK]

Mac版では[書式]→[段落]から同じ設定を開けます。1件ごとにEnterで改行し、折り返しをスペースで調整しないこと。行間とフォントは、指定がなければ本文と同じにします。Wordの自動の段落番号は本文の番号と連動しないので、並べ替えたら本文側も手で直してください。

参考文献リストのNG例と直し方:本文と合わない・URLだけ・書式の混在

多い間違いは、書式の細部より「本文との対応」と「読み手がたどり着けるか」に集まります。

本文で使っていない文献が載っている

Before

本文の引用は1) 2)だけなのに、リストに「3) [著者名]. [書名]. [出版者], [出版年].」が残っている。

After

本文で使った1) 2)だけをリストに残す。3)は本文で使うか、リストから外す。

APA第7版のように、リストの文献はすべて本文で引用されているべきとする書式では、対応のない項目は誤りです。参考にした文献も載せる指定なら残してかまいません。

URLだけを書いている

After

[運営団体名]. “[ページの題名]”. [サイト名]. [更新日]. https://www.example.go.jp/report/[ページ名].html, (参照 [年-月-日]).

URLは変わったり消えたりします。誰が出した何という題の資料かが書いてあれば、リンクが切れても読み手は探し直せます。

ウェブの資料に閲覧日がない

Before

文部科学省. “[ページの題名]”. [更新日]. https://www.mext.go.jp/[パス].

After

文部科学省. “[ページの題名]”. [更新日]. https://www.mext.go.jp/[パス], (参照 [年-月-日]).

ウェブのページは後から書き換わるので、SIST02はいつの時点の内容を読んだかを示す入手日付を必須にしています。APA第7版なら、取得日を書くのは内容が変わる前提のページだけです。

書式が混ざっている

Before

坂村健. グローバルスタンダードと国家戦略. NTT出版, 2005, 272p.

[著者名]. ([出版年]). [書名]. [出版者].

After

坂村健. グローバルスタンダードと国家戦略. NTT出版, 2005, 272p.

[著者名]. [書名]. [出版者], [出版年], [総ページ数]p.

2件目だけがAPAの形です。書誌情報をあちこちからコピーして集めると起きやすく、年の位置だけを上から追うと見つかります。

孫引きなのに原典だけを載せている

Before

本文で[原典の著者]の主張を引き、リストには原典だけを載せる。実際に読んだのは[読んだ本の著者]の本。

After

原典を自分で読んで確かめてから載せる。確かめられないときは、読んだ[読んだ本の著者]の本も載せ、孫引きであることを本文で示す。

APA Styleも、自分が読んだ文献だけを引用するよう求めています。孫引きの示し方は引用の書き方の記事で説明します。

提出前チェック:本文とリストの対応を確かめる

提出前は、書式の細部より先に本文とリストの対応を確かめます。対応が崩れていると、書式をどれだけ整えても読み手は資料にたどり着けません。

対応を確かめる手順

  1. 本文を頭から読み、引用の印(「1)」や「(著者, 年)」)を拾ってメモに書き出す
  2. メモの各行とリストの項目を突き合わせ、対応したものに印を付ける
  3. リストにあって本文にない項目は、使った箇所を探す。見つからなければ外す(参考にした文献も載せる指定なら残す)
  4. 本文にあってリストにない引用は、控えておいた資料の情報から項目を足す
  5. 著者名の表記と出版年が、本文とリストで一致しているかを見る

提出直前のチェック

  • 授業や要項の書式指定を確かめ、その書式で書いたか
  • リストのすべての項目が同じ書式か(年の位置、区切り記号、全角・半角)
  • 本文の引用とリストの項目が1対1で対応しているか
  • 本文とリストで、著者名の表記と出版年が一致しているか
  • 本は出版者と出版年、雑誌論文は誌名・巻号・ページまで書いたか
  • ウェブの資料にURLがあるか。SIST02なら参照日(閲覧日)も書いたか。APA第7版なら、内容が変わるページにだけ取得日を書いたか
  • 並び順が方式どおりか(番号順、または五十音順・アルファベット順)
  • 同じ著者・同じ年の文献を「a」「b」で区別したか
  • 見出し語が指定どおりで、ぶら下げインデントがそろっているか

本文の文末が「です・ます」と「だ・である」で揺れていないかも、一緒に見ておくと安心です。そろえ方は常体と敬体の使い分けで解説しています。


レポート全体の組み立ては大学レポートの書き方、URLや閲覧日の細かな扱いはウェブサイトの参考文献の書き方にまとめています。

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FAQ

出典を付けながら書いて、参考文献リストは書き出しで作る

インキでは、本文の引用したい位置に出典を付けておくと、Word(.docx)に書き出すときに参考文献リストがまとめて付きます。提出直前に資料を探し直す時間を減らせます。

  • 書きながら、本文の引用したい位置にDOI・URL・手入力で出典を付けられる
  • 付けた出典から、書き出しのときに参考文献リストが自動で作られる
  • リストの付いたWord(.docx)で書き出し、指定の書式への手直しはWordの上で進められる
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