インターンやOB訪問のお礼メールを受け取る側は、同じ時期に何人もの学生と会っており、受信箱には似た文面が何通も並びます。そこで読み分けられるのは、敬語の正しさではなく、あなたがその場で何をして、何を見聞きしたかです。文面を考える前に、参加中にメモした作業名、社員の発言、詰まった場面を一つ思い出します。ここが埋まれば、残りは定型で構いません。
- 送るのは当日中が目安です。最終日の解散が遅ければ翌朝でも構いませんが、深夜の送信は避けます
- 感想語は一つも入れなくて構いません。作業名、相手の発言、自分が次にすることの3つで本文はできます
- 次にどうしたいかは一文だけにします。応募の意思も再訪問のお願いも追加質問も全部入れると、お礼が依頼の前置きに見えます
「勉強になりました」を具体に置き換える
手が止まるのは、感謝の言葉が思いつかないからではなく、書きたい中身をまだ言語化していないからです。手元にあるのが感想語だけなら、下の表の左から自分が書きそうな語を探し、右へ置き換えます。
| 書きがちな語 | 置き換える中身 | 書き換えの例 |
|---|---|---|
| 勉強になりました | どの話が、自分の何を変えたか | 志望業界は絞りすぎないほうがよいと伺い、他業界の説明会にも申し込みます |
| 貴重な経験でした | 手を動かした作業の名前 | 3日目のグループワークで、競合3社の価格表を比較しました |
| 刺激を受けました | 誰の、どの発言や場面か | {社員名}様が「仕様より先に使う人の1日を書く」と話された場面 |
| 楽しかったです | 詰まった場面と、そこで分かったこと | 想定顧客を絞る作業で手が止まり、条件を減らす順番で結論が変わりました |
右側が一つ書ければ足ります。三つ並べると、どれが一番残ったのか分からなくなります。
当日中に送り、遅れたら詫びは一文で
お礼メールは、相手があなたの顔と発言を覚えているうちに届くほど読まれます。目安は当日中、遅くとも翌日の午前中です。解散が夜になった日は翌朝で足り、日付が変わってからの送信は避けます。数日空いた場合は「ご連絡が遅くなり申し訳ございません」の一文だけ添え、あとは普通のお礼として書きます。遅れた理由を説明するほど、本題の具体が後ろへ押し出されます。
宛先を人事にするか、社員個人にするか
基本の窓口は、案内メールを送ってきた差出人です。人事の窓口アドレスなら、その案内メールへの返信として送ります。現場のメンター社員に個別で伝えたいことがあるなら、窓口宛とは別に一通出します。宛先を並べて一通にまとめると、どちらへのお礼なのかがぼやけます。CCは案内メールでCCに入っていた人をそのまま残す程度にとどめ、名刺もアドレスも渡されていない相手には、連絡先を探してまで送りません。
次にどうしたいかを一文だけ入れる
お礼メールが選考でどう扱われるかは、企業と選考方式によって違います。送れば有利になると考えて書くより、次に何をしたいかを相手が受け取れる形にしておくほうが、相手も動きやすくなります。選考に進みたいなら「今後の選考にも応募させていただきたいと考えております」。もう一度話を聞きたいなら「{時期}ごろに改めてお時間をいただけますと幸いです」。質問があるなら一つに絞り、「お手すきの際にご教示いただけますと幸いです」と添えます。三点まとめて書くと、どれから返せばよいか決められず、返信が後回しになります。